黄泉の国の手前にあると云われる街、鳥籠街。
そこには未練のある魂たちが集まり暮らしているという。
街の中心部には、青いバラの咲き乱れる薔薇園が。
その路地裏には蝶がゆらめく妖しい秘宝館が。
そして北のはずれには、古びた一軒のアパートが建っていて、
小さく弱い『主』たちがそれぞれ管理している。
どうして鳥籠街が生まれたのか。
鳥籠街とはなんなのか――すべてを知り、見届けるのは、
南の海の果てにいる、
黄昏に染まった『主』、ただひとり――
黄泉の国の手前にあると言われる街、鳥籠街。
そこには現世に未練のある魂たちが集まり、暮らしているという。
中でも北の外れにあるこの《少年荘》は、
気難しい少年少女の暮らす小さなアパートだ。
――やあやあおかえりなさい! 今日から入居される方ですよね? お待ちしておりました!
街の中心部から路地へ入ったその場所にある秘宝館では、
主人と《ある契約》を結んだ魂たちが、
コレクションとして所狭しと飾られている――……。
おや、また新しいコレクション候補が来たみたい。――いらっしゃい、揚羽堂へようこそ!
その街の中心部には、青い薔薇の咲き誇る庭園に囲まれた、巨大な屋敷が建っている。
屋敷に招かれた哀れな魂たちの未練を晴らすため、
主人は彼らにとある「試練」を与えている――。
青い薔薇の館へようこそ。――さて、君の懺悔を聞こうか?
海崖に建つその廃教会には、黄昏時になると『天使』が現れるのだという。
そしてもしその『天使』に会うことが出来たなら、
大切なものと引き換えに、何でも望みを一つ叶えてくれるのだ。
――さて、聞かせてください。あなたの叶えたい願いは何でしょう?
あなたは目を覚ますと、見慣れない場所に立っています。
辺りは深い霧に包まれ、手を伸ばせば指先は霞んでしまうほど。
――誰かに会ってここがどこなのか尋ねなければ。
そう思ったあなたは一先ず目についた道の先へ進んでいく事にしました。
――ここは死者のための街。あなたはどうしてこんなところへ来たんでしょうね?